年頭ご挨拶 「ジオ・ドクターとしての社会貢献」

 新年明けましておめでとうございます。
 皆様方には、お健やかに新年をお迎えのこととお喜び申し上げます。
 また、当協会の事業活動につきましては、日頃よりご理解、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。

 当協会は昭和45年12月発足以来、地質調査に係る調査研究、研修会の開催、普及・啓発に関する事業を行い、地質調査業者の健全な発展及び地位の向上を図るとともに、社会資本の整備の推進に貢献し、産業の振興及び発展に寄与するように努め、信頼される協会を目指し、平成26年4月より「一般社団法人栃木県地質調査業協会」として新なスタートを切りました。 

 地質調査業はその成立の早い時期から、独自の業務領域を持つこと、設計や施工段階の前に実施されることから、他の業務から分離発注され、独立した業としての地位を得ていました。しかし、産業としての法令の基盤は明確でなく、昭和52年に至り建設省告示として「地質調査業登録規程」が制定され、地質調査業の定義や登録するための要件が定められ、法的な基盤が明確になりました。すなわち『建設事業等に関して、地質構造、基礎地盤、土又は岩の工学的性質などについて、機械器具を用いた調査、計測を行い、その結果を解析、判断し、設計、施工、管理等のための資料の提供を行い、あわせて必要な所見を述べることの請負業又は受託業』となっています。

 しかし地質調査業が「現場を有する建設コンサルタント」としての外部からの認識はなかなか浸透していないのが現実です。ある例では成果品の一部である柱状図のみを提出させて、後は設計者が地質構造や地形の変遷を全く考慮しない誤った解釈をしたりして、施工時に大幅な設計変更となってコスト増大となってしまったり、竣工後に不具合が露見して解体して立替する事態となった例もあります。

 今後とも、関係各位の更なるご指導、ご鞭撻をお願い申し上げますとともに、皆様方のご健勝とご多幸を祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

平成29年1月1日
一般社団法人 栃木県地質調査業協会 
会長 喜内敏夫

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