令和3年 年頭所感「社会基盤を支える地質調査業」

 新年あけましておめでとうございます。今、社会的問題の真っ先に挙げられることは、新型コロナウイルス感染症の蔓延が終息を見ないことでしょう。事業や商売がストップし立ち行かない業種の方々にはお見舞いと、感染リスクをまともに受けている医療従事者の皆様には感謝と敬意を奉げる次第です。

 当協会は、昨年12月で設立50周年を迎えました。日頃より、当協会の事業活動にご理解とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
 一昨年は、台風19号による豪雨がありました。毎年のように大災害が日本全国のどこかで発生するようになってきました。地震や豪雨災害では、必ずと言っていいほど地盤の崩壊が発生します。また、インフラ整備において都市部における地下の利用は技術の進歩とともに深度化し、それによると思われる地盤の陥没事故なども起こっています。人々を守るには自然の摂理を追求し、地盤をよりよく理解し、地質のリスクを適切に評価することが求められていると思います。

 国は、「防災・減災・国土強靭化」を目指した取り組みを行っています。人々の「安全・安心」を守る社会基盤の構築、維持管理において、地質調査業はその一角を担う欠かせない大事な仕事です。地盤中に潜在する不確かさを掘り出し、地盤の性状をよりよく理解し、その情報を設計・施工、維持管理へと引き継いでいく。そんな仕事に専門技術者としてのやりがいと責任を持ちながら、日々、研鑽を積み重ねております。

 現在、私たち業界の後継者・担い手不足が深刻となっています。高等学校、専門学校等における土木学科、地質・土質学の教科も減少してきています。このような社会現象に対し、業界の働き方改革の方針に沿った待遇改善と社会的地位の向上を図ることが必要と思います。そのために、私たち協会も関係諸団体との情報共有・協力関係を進めながら、地質調査業の魅力を発信していく努力をしてまいります。

 地域に根差して活動する私たち一般社団法人栃木県地質調査業協会に今後ともご理解とご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして新年のご挨拶とさせていただきます。

                          令和3年 1月 1日
                            一般社団法人 栃木県地質調査業協会
                                会 長  笠原 武夫

新聞記事はこちら 「日刊建設新聞に掲載された記事」 をご覧下さい。

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